2018/11/09

 

ダイヤモンド

Q.工業部材メーカーのY社は、加工した工業用ダイヤモンドを欧米や東南アジアへ輸出することになりました。外為法関連で注意することはありませんか。
 
A. ダイヤモンドは、外為法関連法規で輸出を規制されています。輸出貿易管理令別表第1のキャッチオール規制のみではなく、輸出貿易管理令別表第2にある輸出規制品目にも加えられていますから、2重の規制であるといえます。具体的に別表第2関連法規では、ダイヤモンド原石であって選別していないもの・工業用のもので加工していないもの及び単にひき、クリーブ(原石を分割)し又はブルーチ(丸い形に胴削り)したもの・工業用以外のもので加工していないもの及び単にひき、クリーブし又はブルーチしたものについては輸出規制の対象となっています。
ところで、ダイヤモンドには原石の輸出入を規制するキンバリー・プロセス証明制度があり、上記のような仕様のものも世界全地域で規制され、下記「キンバリー・プロセス証明制度の参加国」以外の非参加国に対しては輸出を行わないことが義務化されています。このようにダイヤモンドについては、非常に厳しい輸出規制体制となっていますから、輸出の準備期間を含め十分な期間が必要であるといえます。
 

関連法規等
・輸出貿易管理令別表第1の16項

・輸出貿易管理令別表第2の1項
・輸出貿易管理令別表第2の1の項の規定に基づく経済産業大臣が告示で定めるダイヤモンド 経済産業省告示第440号 平成14年12月27日
・ダイヤモンド原石の輸出承認について 輸出注意事項14第53号・平成14・12・20貿局第3号 平成14年12月27日 貿易経済協力局
・キンバリー・プロセス証明制度の参加国等について 輸出注意事項17第30号・輸入注意事項17第61号 平成17・12・06貿局第2号 平成17年12月14日 経済産業省貿易経済産業局
・キンバリー・プロセス証明書の有効期間について(お知らせ) 平成17年1月20日 貿易経済協力局貿易管理部 貿易審査課
・関税定率法別表 第14部 天然又は養殖の真珠、貴石、半貴石、貴金属及び貴金属を張った金属並びにこれらの製品、身辺用模造細貨類並びに貨幣 第71類 71.02 ダイヤモンド(原石) 加工してあるかないかを問わないものとし、取り付けたものを除く。 7102.10 選別していないもの、7102.21 工業用のもの 加工していないもの及び単にひき、クリーブし又はブルーチしたもの、7102.31 工業用以外のもの 加工していないもの及び単にひき、クリーブし又はブルーチしたもの
 

キンバリー・プロセス証明制度の参加国

アンゴラ、アルメニア、オーストラリア、バングラデシュ、ベラルーシ、ボツワナ、ブラジル、カンボジア、カメルーン、カナダ、中央アフリカ共和国、中華人民共和国、台湾、コンゴ民主共和国、コートジボワール、クロアチア、欧州共同体、ガーナ、ギニア、ガイアナ、インド、インドネシア、イスラエル、日本、カザフスタン、大韓民国、ラオス、レバノン、レソト、リベリア、マレーシア、マリ、モーリシャス、メキシコ、ナミビア、ニュージーランド、ノルウェー、パナマ、コンゴ共和国、ロシア、シエラレオネ、シンガポール、南アフリカ共和国、スリランカ、スワジランド、スイス、タンザニア、タイ、トーゴ、トルコ、ウクライナ、アラブ首長国連邦、アメリカ合衆国、ベネズエラ、ベトナム、ジンバブエ

 

参考文献

・METI経済産業省 ダイヤモンド原石の輸出入管理
http://www.meti.go.jp/policy/external_economy/trade_control/02_exandim/05_diamond/index.html 訪問日2018年11月9日

・webタリフ 第71類 71.02 http://www.kanzei.or.jp/statistical/tariff/headline/hs4dig/j/7102#7102 訪問日2018年11月9日

 

 注:2012年11月22日版を改訂