2018/11/11
レスキュー・ロボット
Q.災害や事故の時、活躍するレスキュー・ロボットを開発しているZ社は、国内のみではなく海外に向けて輸出する新型ロボットを数種類発表しました。それは安定した走行や高性能視覚装置、耐放射線対応はもちろんのこと繊細なアーム操作、精密な測定もこなすことができるように工夫されています。また新型ロボットには人間が直接装着し、現場で動き作業することができるものも含まれています。Z社では輸出が難しいかもしれないと推測していますが、何か対策はありますか。
A.ロボットは外為法のいくつかの項目で輸出規制されている品目です。またその技術についても提供が規制されているものがあります。レスキュー・ロボットは通常の産業用ロボットとは異なり、非常に高度な機能を持っているものがあり、仕様について外為法関連法規と照らし合わせ詳細まで判定する必要があります。実際に機能を使用していない場合においても潜在的に性能を有する場合は該当してしまいます。輸出の際は、事前に該非判定し該当する場合は早急に輸出許可申請を行う必要があります。
なお、人間が直接装着し現場で手動作業するものについては、「操縦ロボット」扱いとなり規制対象外となります。また「シーケンスロボット」も規制対象外となっています。
関連法規等
・輸出貿易管理令別表第1の2項(15)、6項(7)、12項(5)、14項(7)
・外国為替令別表の2項(1)、6項(1)(2)、12項(1)(2)、14項
・輸出貿易管理令の運用について 輸出注意事項62第11号・62貿局第322号 昭和62年11月6日 貿易局 1-1(7)(イ)
用語の解釈
輸出貿易管理令の運用について 輸出注意事項62第11号・62貿局第322号 昭和62年11月6日 貿易局 1-1(7)(イ)2項
・操縦ロボット:マニピュレーション機構であって、手動又は遠隔操作によってのみ制御可能なものをいう。
・シーケンスロボット:次のいずれかに該当するものをいう。
イ 固定シーケンスマニピュレーション機構であって、機械的に固定されたプログラム運動に従って動作する自動運動装置
ロ 機械的に制御される可変シーケンスマニピュレーション機構であって、機械的に固定されたプログラム運動に従って動作する自動運動装置
ハ 非サーボ制御の可変シーケンスマニピュレーション機構であって、機械的に固定されたプログラム運動に従って動作する自動運動装置
注:2012年6月13日版を改訂