2018/11/12
電子部品実装ロボット(チップマウンタ)
Q.産業機器メーカーのR社は、FAラインの電子部品実装ロボット(チップマウンタ)で有名です。今年はスマートフォン用のフレキシブルプリント基板(FPC)の実装機や積層パッケージ実装(POP)仕様の高速実装機を何台か開発しました。もちろん海外への輸出も踏まえての新機種となっています。輸出する際の外為法上の注意点は何でしょうか。
A.外為法関連法規では「電子部品実装ロボット」が、輸出規制対象となっています。ご存知のように電子部品実装ロボットは、産業用ロボットが搭載された精密機械であり、プリント基板上にIC等を実装するものです。この機械により家電からロケット・ミサイル・宇宙航空用まで多種多様なプリント基板を製造することができます。それゆえに他のロボットと大きく異なる特質を持ち、また外為法関連法規上は、様々な視点から該非判定を行う必要がある機械となっています。
この精密機械については、様々な機械の要素が組み合わさり出来ているため、輸出貿易管理令別表第1の項番を隅々まで検討し、少しでも関連があるようであれば該非判定を行うことが重要となっています。そして非該当であった場合も書類を添付する等、完璧な状態で輸出申請を行う必要があり、書類に不足があった場合、輸出が遅れる可能性もあります。
またキャッチオール規制で重要視されている輸出国や最終需要者、使用目的等、製品の該非判定以外にも特に注意する必要があり、最後まで気を抜かずに輸出管理を行う必要がある機械です。
このように名称の中には「ロボット」という表記がされていますが、前述のように実際には他に含まれた複合的機械要素を持っており、多くの項番の検討や書類上の慎重な対応が求められるため、輸出には十分余裕を持った期間が必要となります。
関連法規等
・輸出貿易管理令別表第1の2項(15)、6項(7)、12項(5)、14項(7)、16項(1) 他
参考文献
・森田健「第6節 POP実装技術における実装プロセスの最適化」『最新エレクトロニクス大全集 下巻』(株式会社実装情報協会、2007年)
・原田亮、杉崎吉昭、田窪知章「高密度実装技術」『東芝レビュー』Vol.59.No.8(2004年)
関連サイト
Panasonic FA 電子デバイス・産業用機器 https://industrial.panasonic.com/jp/products/fa-welding/fa 電子部品実装機
訪問日2018年11月12日
注:2012年12月6日版を改訂