条文

外国為替及び外国貿易法  抜粋

法律第228号 昭和24年12月1日

最終改正 法律第59号 平成21年6月24日

 

目的

1条 この法律は、外国為替、外国貿易その他の対外取引が自由に行われることを基本とし、対外取引に対し必要最小限の管理又は調整を行うことにより、対外取引の正常な発展並びに我が国又は国際社会の平和及び安全の維持を期し、もて国際収支の均衡及び通貨の安定を図るとともに我が国経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

 

2条~第5条まで省略

 

定義

6条 この法律又はこの法律に基づく命令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一 「本邦」とは、本州、北海道、四国、九州及び財務省令・経済産業省令で定めるその附属の島をいう。

二 「外国」とは、本邦以外の地域をいう。

三 「本邦通貨」とは、日本円を単位とする通貨をいう。

四 「外国通貨」とは、本邦通貨以外の通貨をいう。

五 「居住者」とは、本邦内に住所又は居所を有する自然人及び本邦内に主たる事務所を有する法人をいう。非居住者の本邦内の支店、出張所その他の事務所は、法律上代理権があると否とにかかわらず、その主たる事務所が外国にある場合においても居住者とみなす。

六 「非居住者」とは、居住者以外の自然人及び法人をいう。

七 「支払手段」とは、次に掲げるものをいう。

 イ 銀行券、政府紙幣、小額紙幣及び硬貨

 ロ 小切手(旅行小切手を含む。)、為替手形、郵便為替及び信用状

 ハ 証票、電子機器その他の物(第19条第1項において「証票等」という。に電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によって認識することができない方法をいう。)により入力されている財産的価値であって、不特定又は多数の者相互間での支払のために使用することができるもの(その使用の状況が通貨のそれと近似しているものとして政令で定めるものに限る。)

 ニ イ又はロに掲げるものに準ずるものとして政令で定めるもの

八 「対外支払手段」とは、外国通貨その他通貨の単位のいかんにかかわらず、外国通貨をもて表示され、又は外国において支払のために使用することのできる支払手段(本邦通貨を除く。)をいう。

九 削除

十 「貴金属」とは、金の地金、金の合金の地金、流通していない金貨その他金を主たる材料とする物をいう。

十一 「証券」とは、券面が発行されていると否とを問わず、公債、社債、株式、出資の持分、公債又は株式に関する権利を与える証券、債権、国庫証券、抵当証券、利潤証券、利札、配当金受領証、利札引換券その他これらに類する証券又は証書として政令で定めるものをいう。

十二 「外貨証券」とは、外国において支払を受けることができる証券又は外国通貨をもつて表示される証券をいう。

十三 「債権」とは、定期預金、当座預金、特別当座預金、通知預金、保険証券及び当座勘定残高並びに賃借、入札その他に因り生ずる金銭債権で前各号に掲げられていないものをいう。

十四 「金融指標等先物契約」とは、金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第21項に規定する市場デリバティブ取引(政令で定めるものを除く。以下この号において同じ。)、同条第22項に規定する店頭デリバティブ取引(政令で定めるものを除く。)及び同条第8項第三号ロに規定する外国金融商品市場において行われる同条第21項に規定する市場デリバティブ取引に類する取引その他これらに類する取引として政令で定める取引に係る契約をいう。

十五 「貨物」とは、貴金属、支払手段及び証券その他債権を化体する証書以外の動産をいう。

十六 「財産」とは、第七号、第十号、第十一号、第十三号及び前号に規定するものを含む財産をいう。

2 居住者又は非居住者の区別が明白でない場合については、財務大臣の定めるところによる。

 

7条~第24条の2まで省略

 

役務取引等

25条 国際的な平和及び安全の維持を妨げることとなると認められるものとして政令で定める特定の種類の貨物の設計、製造若しくは使用に係る技術(以下「特定技術」という。)を特定の外国(以下「特定国」という。)において提供することを目的とする取引を行おうとする居住者若しくは非居住者又は特定技術を特定国の非居住者に提供することを目的とする取引を行おうとする居住者は、政令で定めるところにより、当該取引について、経済産業大臣の許可を受けなければならない。

2 経済産業大臣は、前項の規定の確実な実施を図るため必要があると認めるときは、特定技術を特定国以外の外国において提供することを目的とする取引を行おうとする居住者若しくは非居住者又は特定技術を特定国以外の外国の非居住者に提供することを目的とする取引を行おうとする居住者に対し、政令で定めるところにより、当該取引について、許可を受ける義務を課することができる。

3 経済産業大臣は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める行為をしようとする者に対し、政令で定めるところにより、当該行為について、許可を受ける義務を課することができる。

一 第1項の規定の確実な実施を図るため必要があると認めるとき 同項の取引に関する次に掲げる行為

 イ 特定国を仕向地とする特定技術を内容とする情報が記載され、又は記録された文書、図画又は記録媒体(以下「特定記録媒体」という。)の輸出

 ロ 特定国において受信されることを目的として行う電気通信(電気通信事業法(昭和59年法律第86号)2条第一号に規定する電気通信をいう。以下同じ。)による特定技術を内容とする情報の送信(本邦内にある電気通信設備(同条第二号に規定する電気通信設備をいう。)からの送信に限る。以下同じ。)

二 前項の規定の確実な実施を図るため必要があると認めるとき 同項の取引に関する次に掲げる行為

 イ 特定国以外の外国を仕向地とする特定記録媒体等の輸出

 ロ 特定国以外の外国において受信されることを目的として行う電気通信による特定技術を内容とする情報の送信

4 居住者は、非居住者との間で、国際的な平和及び安全の維持を妨げることとなると認められるものとして政令で定める外国相互間の貨物の移動を伴う貨物の売買、貸借又は贈与に関する取引を行おうとするときは、政令で定めるところにより、当該取引について、経済産業大臣の許可を受けなければならない。

5 居住者は、非居住者との間で、役務取引(労務又は便益の提供を目的とする取引をいう。以下同じ。)であつて、鉱産物の加工その他これに類するものとして政令で定めるもの(第30条第1項に規定する技術導入契約の締結等に該当するものを除く。)を行おうとするときは、政令で定めるところにより、当該役務取引について、主務大臣の許可を受けなければならない。ただし、次項の規定により主務大臣の許可を受ける義務が課された役務取引に該当するものについては、この限りでない。

6 主務大臣は、居住者が非居住者との間で行う役務取引(1項に規定する特定技術に係るもの及び第30条第1項に規定する技術導入契約の締結等に該当するものを除く。)又は外国相互間の貨物の移動を伴う貨物の売買、貸借若しくは贈与に関する取引(4項に規定するものを除く。)(以下「役務取引等」という。)が何らの制限なしに行われた場合には、我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行することを妨げ、若しくは国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与することを妨げることとなる事態を生じ、この法律の目的を達成することが困難になると認めるとき又は第10条第1項の閣議決定が行われたときは、政令で定めるところにより、当該役務取引等を行おうとする居住者に対し、当該役務取引等を行うことについて、許可を受ける義務を課することができる。

 

制裁等

25条の2 経済産業大臣は、前条第1項の規定による許可を受けないで同項に規定する取引を行った者に対し、3年以内の期間を限り、貨物の設計、製造若しくは使用に係る技術(以下この条において「貨物設計等技術」という。)を外国において提供し、若しくは非居住者に提供することを目的とする取引若しくは当該取引に関する貨物設計等技術を内容とする情報が記載され、若しくは記録された文書、図画若しくは記録媒体の輸出(以下「技術記録媒体等輸出」という。)若しくは外国において受信されることを目的として行う電気通信による貨物設計等技術を内容とする情報の送信(以下「国外技術送信」という。)を行い、又は特定技術に係る特定の種類の貨物の輸出を行うことを禁止することができる。

2 経済産業大臣は、前条第2項又は第3項の規定により経済産業大臣の許可を受ける義務が課された場合において当該許可を受けないでこれらの項に規定する取引又は行為を行った者に対し、1年以内の期間を限り、貨物設計等技術を外国において提供し、若しくは非居住者に提供することを目的とする取引若しくは当該取引に関する技術記録媒体等輸出若しくは国外技術送信を行い、又は特定技術に係る特定の種類の貨物の輸出を行うことを禁止することができる。

3 経済産業大臣は、前条第4項の規定による許可を受けないで同項に規定する取引を行った者に対し、3年以内の期間を限り、非居住者との間で外国相互間の貨物の移動を伴う貨物の売買、貸借若しくは贈与に関する取引を行い、又は貨物の輸出を行うことを禁止することができる。

4 主務大臣は、前条第6項の規定により役務取引等を行うことについて許可を受ける義務を課した場合において、当該許可を受ける義務が課された役務取引等を当該許可を受けないで行った者が再び同項の規定により許可を受ける義務が課された役務取引等を当該許可を受けないで行うおそれがあると認めるときは、その者に対し、1年以内の期間を限り、役務取引等を行うことについて、その全部若しくは一部を禁止し、又は政令で定めるところにより許可を受ける義務を課することができる。

 

26条~第46条まで省略

 

輸出の原則

47条 貨物の輸出は、この法律の目的に合致する限り、最少限度の制限の下に、許容されるものとする。

 

輸出の許可等

48条 国際的な平和及び安全の維持を妨げることとなると認められるものとして政令で定める特定の地域を仕向地とする特定の種類の貨物の輸出をしようとする者は、政令で定めるところにより、経済産業大臣の許可を受けなければならない。

2 経済産業大臣は、前項の規定の確実な実施を図るため必要があると認めるときは、同項の特定の種類の貨物を同項の特定の地域以外の地域を仕向地として輸出しようとする者に対し、政令で定めるところにより、許可を受ける義務を課することができる。

3 経済産業大臣は、前2項に定める場合のほか、特定の種類の若しくは特定の地域を仕向地とする貨物を輸出しようとする者又は特定の取引により貨物を輸出しようとする者に対し、国際収支の均衡の維持のため、外国貿易及び国民経済の健全な発展のため、我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するため、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、又は第10条第1項の閣議決定を実施するために必要な範囲内で、政令で定めるところにより、承認を受ける義務を課することができる。

 

49条~第69条の5まで省略

 

罰則

69条の6 次の各号のいずれかに該当する者は、7年以下の懲役若しくは700万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。ただし、当該違反行為の目的物の価格の5倍が700万円を超えるときは、罰金は、当該価格の5倍以下とする。

一 第25条第1項又は第4項の規定による許可を受けないでこれらの項の規定に基づく命令の規定で定める取引をした者

二 第48条第1項の規定による許可を受けないで同項の規定に基づく命令の規定で定める貨物の輸出をした者

2         次の各号のいずれかに該当する者は、10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。ただし、当該違反行為の目的物の価格の5倍が1000万円を超えるときは、罰金は、当該価格の5倍以下とする。

一 特定技術であつて、核兵器、軍用の化学製剤若しくは細菌製剤若しくはこれらの散布のための装置若しくはこれらを運搬することができるロケット若しくは無人航空機のうち政令で定めるもの(以下この項において「核兵器等」という。)の設計、製造若しくは使用に係る技術又は核兵器等の開発、製造、使用若しくは貯蔵(次号において「開発等」という。)のために用いられるおそれが特に大きいと認められる貨物の設計、製造若しくは使用に係る技術として政令で定める技術について、第25条第1項の規定による許可を受けないで同項の規定に基づく命令の規定で定める取引をした者

二 第48条第1項の特定の種類の貨物であつて、核兵器等又はその開発等のために用いられるおそれが特に大きいと認められる貨物として政令で定める貨物について、第25条第4項の規定による許可を受けないで同項の規定に基づく命令の規定で定める取引をした者又は第48条第1項の規定による許可を受けないで同項の規定に基づく命令の規定で定める輸出をした者

3         第1項第二号及び前項第二号(貨物の輸出に係る部分に限る。)の未遂罪は、罰する。

 

69条の7 次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。ただし、当該違反行為の目的物の価格の5倍が500万円を超えるときは、罰金は、当該価格の5倍以下とする。

一 第25条第2項の規定に基づく命令の規定による許可を受けないで特定技術の提供を目的とする取引をした者

二 第25条第3項の規定に基づく命令の規定による許可を受けないで同項第一号に定める行為をした者

三 第48条第2項の規定に基づく命令の規定による許可を受けないで貨物の輸出をした者

四 第48条第3項の規定に基づく命令の規定による承認を受けないで貨物の輸出をした者

五 第52条の規定に基づく命令の規定による承認を受けないで貨物の輸入をした者

2         前項第二号(第25条第3項第一号イに係る部分に限る。)の未遂罪は、罰する。

 

70条 次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。ただし、当該違反行為の目的物の価格の3倍が100万円を超えるときは、罰金は、当該価格の3倍以下とする。

一~十五まで省略

十六 第25条第3項の規定に基づく命令の規定による許可を受けないで同項第二号に定める行為をした者

十七 第25条第5項の規定による許可を受けないで同項の規定に基づく命令の規定で定める役務取引をした者

十八 第25条第6項の規定に基づく命令の規定による許可を受けないで役務取引等を行つた者

十九 第25条の21項又は第2項の規定による技術の提供を目的とする取引若しくは技術記録媒体等輸出若しくは国外技術送信又は貨物の輸出の禁止に違反して取引若しくは技術記録媒体等輸出若しくは国外技術送信又は輸出をした者

二十 第25条の23項の規定による貨物の売買、貸借若しくは贈与に関する取引又は貨物の輸出の禁止に違反して取引又は輸出をした者

二十一~二十九まで省略

三十 第51条の規定に基づく命令の規定に違反して貨物の船積をした者 

三十一 第53条第1項の規定による貨物の輸出又は特定技術の提供を目的とする取引若しくは特定記録媒体等の輸出若しくは特定技術を内容とする情報の送信の禁止に違反して輸出又は取引若しくは特定記録媒体等の輸出若しくは情報の送信をした者

三十二~三十三まで省略

2 省略

 

71~第72条まで省略

・・・・・・

 

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外国為替及び外国貿易法
Japan_ForeignTradeLaw.pdf
PDFファイル 244.9 KB

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